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伝統的で新しい? 一丸となって取り組む沖縄の星・宜野湾市青少年健全育成協議会

「伝統的で新しい? 一丸となって取り組む沖縄の星」
宜野湾市青少年健全育成協議会

文・取材=吉本紀子(『青少年』編集委員)

普天間基地で有名な沖縄県宜野湾市。戦争の記憶を持ち、基地と共に生活している人々の住む場所ではどんな活動が行われているのだろうか。

少ない取材時間では、そのすべてを知ることはできない。ただ、伝わったのは、役員の皆さんのチームワークと熱意。絶妙な役割分担と新しいものを受け入れる気質で、沖縄県最大の注目イベントを生み出したというから驚きだ。

 

4つの部の活動

 

普天間基地のある市としてよく知られている沖縄県宜野湾市に宜野湾市青少年健全育成協議会(以下、青少協)ができたのは昭和49年。市長が会長を務めることで代々運営してきたが、市長が会長であると小回りが利かずフットワークに欠けるところがあり、副会長であった元学校長の嘉手苅喜郎さんが就任し、その後、前教育長宮城義昇さんが就任し現在に至る。

青少協は市議会、教育委員会、警察署、自治会、PTAなど、23団体・機関で構成されている。事務局と、文化部、保健体育部、調査広報部、総務部から成る4つの部を設け、活発に活動している。各部の活動を見ていきたい。

文化部の活動は、大きく分けて3つある。少年の主張大会、児童生徒作文コンクール、世代交流会だ。世代交流会は、市内の小中学校の代表生徒が高齢者の方に昔の玩具作りを習ったり、踊りをしたりして交流を図る催しで、好評の下に毎年行われている。少年の主張大会では、前回は沖縄県の最優秀賞を受賞し、県代表に選ばれた。

次に保健体育部の活動には、三世代交流グランドゴルフ大会、会員団体の親睦を深めるソフトバレーボール大会、交通安全キャンペーン市内一周駅伝大会への参加取りまとめも保健体育部の仕事である。

三世代交流グランドゴルフ大会

 

調査広報部は、年に1回の環境浄化活動を担っている。これは、市内のビデオ店やカラオケ、コンビニ、ゲームセンター、インターネットカフェなどを立ち入り調査し、青少年に対し、有害図書やタバコ・酒類の販売の自粛を求める活動。ビデオ店の成人コーナーなどは、この指導でずいぶん変わった。ほかに、年に1回の青少協だよりの発行も行っている。

最後に総務部だが、これは事務局の負担が大きいので、少し分担しようということで、青少年育成国民運動実践調査研究事業をきっかけにして平成16年に新しくできた部会である。実践調査研究事業は、青少年育成国民会議の主導で行われている事業で、青少協では平成14年度に安全マップの作成、17年度には声かけマニュアルの作成を行った。総務部では会員の研修や、新たに企画を発案して役員会にかけたりという活動を行っている。

青少協全体の活動としては、夜間の街頭指導を行っている。もともと、安全な地域をつくるために夜間の街頭指導を行おうということが青少協をつくるきっかけだったので、設立当初から行われている活動である。ただ、それだけではなく、もっと子どものいいところを見つけて伸ばそうということで、ほかの部ができて徐々に活動を増やしていったという経緯がある。

夜間街頭指導は毎月第3金曜日の少年を守る日に行われている。各部が交代に担当し、夏休みなどの長期の休暇は毎週実施。年間を通し、延べ2000人以上が参加するという熱心な取り組みだ。18年度は県民会議から青色回転灯を装備した車両の貸与を受けて市内の巡回も行った。


PTA繋がりの長所と課題

 

宜野湾市の青少協には、大きな特徴がある。それは、中心になって活動している人のほとんどがPTAで活動をした経験があるということだ。宜野湾市のPTA連合会の会長は、青少協の副会長になる、というきまりがあるため、副会長の屋比久孟隆さんは両方を兼任している。事務局長の酒井喜美代さんも、PTA連合会の事務局をしていたことから青少協の事務局を担うことになった。

「PTAで活動していて、子どもが卒業しても、まだ地域のために何かできないか、とかかわっている人が今のスタッフなんです」というのは、文化部長の白玉精伸さんだ。

白玉さんも子どもの中学校のPTAに参加したことがきっかけだが、今日まで10年余り続けてきたのには、周囲の人の力が大きいという。PTAで先輩が一所懸命にやっていたので、自分も手伝いたいという思いに駆られ、飲みニケーションで仲間が増え、今は「PTAがなかったら今の私はいないんじゃないか」と思うほど、活動が大きな存在になっているという。


途中、辞めようかと思うたびに、ついてきてくれる人に申し訳ないと思ったので、続けてきた。協力してくれる家族の存在も大きかった、と語る。

しかし、役員や部の中心を担うスタッフはPTAを卒業した人が多いので、自然と40代、50代が中心となっていて、現役で子育てをしているお父さん、お母さんたちがうまく後継者になっていないという悩みも抱えている。

保健体育部長の高江洲善勝さんは、
「青少協がどんな団体なのか、自分がどのようにかかわれるか、よくわかっていない市民の人がまだまだ多いんです。役員レベルにも若い人を入れて、新しい考えを入れていきたい。参加団体の中に青年会があるのですが、例えば夜間巡回などをするときに、青少協がどういうものかを伝えて、一緒にやっていけるように働きかけています」という。

PTAの卒業生が多く活動に加わるという強みと、年齢層についても40代から50代が固まりがちという弱みとの両方があるようだ。一方で、団体の繋がりや警察との関係は非常によく、一丸となっての青少年健全育成はできているので、広報活動や支部の強化をさらにしていきたい、という。

宜野湾市青少年健全育成協議会の皆さん

大好評のストリートダンスコンテスト

 

会長の宮城さんは
「活動はすべての青少年を対象としたもの。行事もすべての子どもが参加できるようなものにしたい」と考えている。

それに近い、より開かれた行事が平成16年から始まった「宜野湾ストリートダンスコンテスト」である。芸能人も多く輩出している沖縄は、もともとストリートダンスが盛んな土地柄。しかし、夜に路上で練習したりするストリートダンスは市民にはあまり評判が良くない。

そこで、陽の当たる場所で思う存分踊れる場所をつくろうと、市立体育館でコンテストを開催することにしたのだ。結果は大成功。観客も含め1200人以上が参加する、県内最大のダンスイベントとなったのだ。初めてストリートダンスを見た大人たちは魅了され、若者は表現の場ができたことを喜び、大会の後には進んで挨拶をするようになったり、周囲のゴミを片付けるようになったりという変化があった。

コンテストは今年3月で3回目となるが、毎年参加者は増加し、ほかの市からも多数が参加。今では「このコンテストに出れば名前が売れる」と評判の一大イベントに成長した。コンテストの実行委員長は宮城会長が務め、青少協は後援団体の中心となって名前を連ねるが、企画や運営は若者たちに任せるなど、若者の気持ちを考えた企画であることが成功の秘訣なのかもしれない。現在、スケートボードコンテストも予定しており、練習のできる場所を作ってもらえるよう、市に働きかけている最中だという。

先輩たちが担ってきた活動や組織をきちんと引継ぎながらも、新しい取り組みに果敢に挑戦する宜野湾市青少年健全育成協議会。沖縄から吹く一陣の風のような活動模様に、学ぶところがたくさんあった。


●宜野湾市青少年健全育成協議会…成功のポイントを分析してみると?
1.組織力→23団体の協力や警察との関係の良さ、PTAからの流れなど、組織が安定していてぶれがない。
2.挑戦→ストリートダンスコンテストやスケートボードコンテストなど、成功するかわからないイベントにも果敢にチャレンジ、懐の広さにも注目!
3.協力→大きい市ではないが、その分人の協力や交流が重要。イベントも世代交流会など、温かさを感じるものが多い。


宜野湾市青少年健全育成協議会
〒901-2205沖縄県宜野湾市赤道1丁目5番17号(宜野湾市はごろも学習センター内)
TEL/FAX:098−892−3307

 

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